このプロジェクトは
2017~2019年の科学研究費基盤研究(C)課題番号17K02866(王伸子)
2020~2023年の科学研究費基盤研究(C)課題番号20K00733(王伸子)
2023~2025年の科学研究費基盤研究(C)課題番号23K00612(王伸子、八田直美)
の研究の一部です。
新しい
音声を取り入れた指導法
ボイスミラーリングプロジェクト
[ Voice Sample ]
ボイスサンプルとは
「ボイスサンプル」は、ナレーター、声優など、声のプロフェッショナルが活動広報のために作成する、声の名刺のようなものです。
一つの作品が2分ほどと短く、さまざまな場面を想定した原稿を読み上げるボイスサンプルが外国語教育に応用された例はまだ報告されていません。
[ Process ]
制作手順
ボイスサンプル作成の手順を日本語のクラスに取り入れてみましょう。
すべての過程を取り入れたフルプロジェクトは、アクティブラーニングとしても利用できます。
聞く、書く、読む、口に出して言う、という4技能を有効に使えます。
一部を使っても、楽しく練習できます。では、始めてみましょう!
原稿作成
教師が原稿を用意する
これは、学習者に選ばせる時間がない場合、または、学習者が選ぶのは難しいという場合です。適当な長さのものを選びましょう。
学習者が原稿を用意する
学習者が、すべて自分で選ぶ、あるいは、教師が用意したものの中から選ぶ、という二通りがあります。
練習
原稿ができたら、それを何度も声に出して練習します。
お手本にしたボイスサンプルを再度、聴いて、音の高さや長さ、「、」や「。」で止まった時のポーズの時間長も学習者自身がわかるように原稿に書き入れましょう。
ポーズがあるところに、/を書いて、意識しながら声を出して練習しましょう。
文頭や文末の、声の出し始めや、終わり方にも気を配ります。
もちろん、語のアクセントや文全体のイントネーションも、そっくりまねします。
学習者がわかる記号を原稿に書き入れ、録音用の原稿を作成します。
録音
十分に練習ができたら、一度、録音します。録音は、二つのことに気を付けましょう。
- しっかりと声を出すこと
- よい録音ができる環境を整えること
しっかりと声を出すというのは、大きい声を出すだけではありません。聴き取りやすい声を出すこと、あわてて速くならないようにすることも大切です。そのためには、録音する前に発音の準備運動をすることも必要です。
また、録音の環境については、以下のことに気を付けます。
- できるだけ静かな場所を選ぶこと
- 吸音材があること
「吸音」は「防音」ではありません。スタジオで録音できれば吸音はある程度保証されます。スタジオでなければ、録音者の出した声があまり跳ね返って来ないように、タオルや毛布で囲んだ場所で録音すると、驚くほどすっきりとした仕上がりの録音になります。マイクがあれば、完璧です。
録音の確認
まず、録音者が聞いて確認することが重要です。思った通りの録音だったか、確認します。
録音した音声を教師がチェックし、ポイントを指導します。
なるべく多くの人に聞いてもらうとよいでしょう。そして、最後の練習をしましょう。
本番の録音
本番の録音です。3.録音 でも書きましたが、
自分の声を整え、録音環境を確保し、さあ、いよいよ本番の録音です!
録音した音声は、録音者が確認し、教師も確認しましょう。
作品の完成
録音が完成したら、保存ファイルを作成し、さらに、それを複製して編集作業をします。
録音前後の不要な音を取り、整音し、BGMを付けてみましょう。
それを、なるべく多くの人に聞いてもらうと、自信が付きます。